50代女の楽張る介護ブログ

アルツハイマー型認知症と診断された母の介護記録でこざいます〰️

橋渡し……からの。

2人が再度、診察室に入る


「えっとですね、肺のレントゲンはまぁ、現状維持で変わらずですが、さっきお腹も痛むと言っていたし 

1回全身を調べるといいですよ。


 隣に○○病院があって、そこはMRIなども、ここより専門的だし。


必要なら紹介状もかきますんで。では。」


 ……脳の検査……という1番伝えて欲しかった ワードは1つも出なかった。 


でも、橋渡しはしてもらえた。 


あとは私がなんとかしなければ。


 先生に頭を下げ診察室を後にする 


父は先生に深く頭を下げていた。 


私はすぐさま母に


 「良かったね!!○○病院てなかなか予約とれないのに、先生予約してくれるって! お腹は別の病院に行くけど、○○病院は脳の検査も してくれるんだって。来月80歳のお誕生日だし この際、心配なとこは全部見てもらおうね!」


 明るく 笑顔で 楽しい話をするトーンで話すと 

「あら!そうなの。じゃ、よかった!」

 え?わかってるかな…… 

「○○病院で26日に脳の検査をするからね!」 

ここは認知機能がおちてるとこをうまく使いながら

 先生は一言もいわなかったワードを繰り返す 


「26日に」 

「脳の検査」


 母はなんの疑問も抱かず 


「お父さんもやった方がいいわよ! 予約したらいいわよ!」 


「お父さんはこの大学病院では見てもらってないから、

予約して貰えないのよ。 お母さんはかかりつけ医がここだから予約できたの!ラッキーだよね!」 


「そうなんだ!良かったわ~」 


とりあえずクリアだろう…… 


こめかみがズキズキし 

ノドがくっつきそうな程、カラカラだった……


 次は26日だ。 


そこでは「物忘れ外来」にいく。 


いよいよだ。 


ここに辿り着くまでが長かった……


 父からLINEで 

「今日はありがとう。大変な心配をかけたね。ごめんね。次が大変だね」 


父から何度目の「ごめんね」だろうか。


 父が悪いんじゃない。


 私は私の責務をしっかり果たそう。


「大変」と思いたくない。


 樹木希林さんが何かで言ってた言葉が大好きだ。


 「人生はどんなときも面白がる」


 この状況は確かに「面白い」わけじゃない 


けど、思考は現実化する


 悲観したって仕方ない 


用意周到にして いくつかのハプニング対処法だけ用意したら あとはなるようになるのだ。



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冷たい言葉

先生の答えはこうだ 


どの程度、認知機能がおちてるか

 詳細も分からないのに話せない 

丸投げされてもね…… 


その病院から、かかりつけ医に話してもらうよう 言われたんですか? 


それもどうかと思いますけどね…… 


話し方は突き放したような 

とても冷たいものだった


 涙があふれる 


怒りもあったが

今はしたてにでなければ。 


先生の言い分も最もだ。 


それでも…… 


せめて橋渡しだけでもして欲しかった 


あまり長い時間話していたら、外にいる母が不審がる……


焦りながらも必死で説明する 


結果、本当にしぶしぶ了承してくれた。


 じゃ、2人を中に呼んでください 

ただ、質問されても答えられないから

さらっとだけ いいますよ? 


え? なんていうんだろう…… 


もう心臓が痛い…… 


でもすでに5分近くたっていた


 母は不審に思ってるはずだ 


もうなるようになれだ! 


母たちを診察室に呼んだ


 。


マンガでわかる!認知症の人が見ている世界 (健康実用) [ 川畑智 ]

パニック

診察室に3人で入る。 


事前に撮ったレントゲンや血液検査。


 前回と変わらずだけど、数値は正常値になったとの 説明。


 肺マック症は現状維持で引き続きお薬を飲む。 


次回はCTを撮ります 


予約をとる 


その間、とにかく淡々と、早口で、


パソコンを ひたすら動かし…… 


これ……いつも2人で行ってて 


耳が少し遠くなっていた父はどんなに聞きづらいだろう……と気の毒になった。 


「何か他に聞きたいことはありますか?」 


するとは母は 

「右下腹がたまに痛いんです」 


そう……。たまにお腹をさすってた。 


良かった……自分で聞いてくれて…… そう思った矢先


 「右下腹ね……それは専門外なので僕はわからないですね。」


 はぁ?!? 


それはなくない?!


 たまりかねた私は 

「右下腹の痛みは……何科にいけばいいですか?」


 「消化器内科か……まぁ、普通に内科ですかね」


 怒りが込み上げるが 

とにかく私は手紙で頼んだ話を いつ話してくれるか…… その事でもはや頭がいっぱいだった。


 「はい。じゃ、次回は12月21日ですね。それではお大事に」 


え。 


えっ?!


 心臓がバクバクいい 血の気が引く。 


手紙……読んでない? 


どうしよう…… 


この機会を逃したら 母になんて説明すれば?! 


頭の中をぐるぐる駆け巡る


 考えてる暇は無い 


2人を外に無理やり出す 


そして先生に切り出した


 「先生。て……手紙は?読んでいただけましたか?」


 頭が真っ白なまま、声も震えてしまった。 


そして 先生の答えに 更に頭が真っ白になった。


 パニック状態になった。


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