50代女の楽張る介護ブログ

アルツハイマー型認知症と診断された母の介護記録でこざいます〰️

箱根旅行

2022.09.13 

よく晴れた旅行日和だった。

 久しぶりの旅行に父も母も嬉しそうだった。 

箱根なんて何年ぶりだ?
 そのくらい久しぶりだ。 
ホテルにつき、まずは一息。 お茶を入れくつろいでいた。

 母がトイレに行き・・・ なかなか戻らない。 

心配になり様子を見に行く。 

「どした?」 
「もう・・このトイレ、レバーがないのよ」 
「あ~。そこよ」 右横のレバーを指さした。 
「本当だ!ありがとう」

 ・・・そう言ったのに、なかなかレバーを引かない。
 「お母さん?レバーは右よ?」 
「えっ?あ。うん」

 そしてレバーを下げた。 

なんだ?この時間差・・・

 違和感はあったがいちいち気にしても仕方ない。 

じゃ、湯本まで行こうかという話になり みんなで外に出た。 
楽しい時間だった。
 ただ・・・「あれっ・・・」と思うことが 
とにかく多かった 
それでもせっかくの旅行だ 
楽しみたかったし、楽しんで欲しかった

 温泉に入る時。 

母は脱いだ服をいつもキレイにたたむ

 スポーツクラブに入っていた時は、服を着替える時も 
脱いだ服をきちんと畳んでいた。

 ちなみに、私は畳まない笑 

チャチャッと脱いでカゴにほおり投げ 
 さぁ!風呂だ! 
みたいな感じ 

だから 久しぶりに見る母の丁寧に畳んでる姿が
 なんかかわいいなと思いながらも 
動作はゆっくりになったなと思った 

すっかり痩せてしまった母の裸体を見て 
涙が溢れる 

コロナ騒動のこの3年は 
楽しく過ごせるはずだった
 大事な大事な時間を 

父のこと

第7波がだいぶ落ち着いた頃だったこともあり


 箱根に行く事にした。 


久しぶりの旅行に父も喜んでいた。 


父の事を少し書こう。


 父は厳格で寡黙な人である。


 The 九州男児!という感じ。 


ただ家族愛の強い人だ。 


うちは私と妹のふたり姉妹。 


私は昔から問題児だったから 随分迷惑をかけた。


 真面目な話 真剣な話を夜リビングで話す・・・・ みたいな感じが苦手だった。


 父と2人になると何を話していいか分からなかった。 


そうさせたのも 自分なのだが・・・ 


それについてはいつかまた 書いてみようと思う。 


そんな私と父の関係性も 

父が歳を重ね、少しずつ変化していた。 


4人でランチをした話を前回したが 

明らかに違和感を感じた私は その夜、父にLINEをした。 


2022年8月29日のことだ。 


「お母さんの認知機能が下がっているように思います。この3年ずっと我慢してたからきっと 限界なんだね。このままだと、コロナ云々より 認知機能が益々落ちて認知症になる気がします。 お父さんも大変だけど、みんなで支えるからね」 


この私のLINEに対し父は


 「ありがとう。本当にありがとう」 


この一文をみて涙が溢れた。


 父の事だ。


 私らに言わずにずっと1人で抱えていたに違いない。 


何故それに気づいてあげられなかったのか。


 激しい後悔に襲われた。



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噛み合わぬ会話


不安だった私は妹に電話をした。


「幻覚が見えるらしい」 

妹に伝えると

 「歳だしね。いろいろでてくるよね」

...位な 感じだった。


 数日後、3年振りに両親と妹、私の4人で ランチに行った。


 コロナ騒動で本当にこういう機会を避けていたから 久しぶりだった。 しかし言動はここでもおかしかった 


「24時間テレビで走っている男の子が 

目が会う度にほほえんでくれるのよ! 」


嬉しそうに話す母。 


空いた口が塞がらない私。


 その後のトンチンカンな話を聞いていて 

疑いから確信に変わる 。



【認知機能が落ちている⠀】



 しばらくすると、母は 

「どこにも行けないし、我慢ばかり・・・ 色んなとこに行きたいのに・・・」 


駄々をこねた子供のようだ 


コロナに気をつけないと!とかいう前に このままにしたら まじで認知症になるわ!! 


「旅行に行こうか!」  


たまりかねた私はそう言った 


母はいつからこんな状態になったんだ?


一時的な 精神的なものか? 


なぜ気づいてやれなかったんだ?!


頭の中でグルグルと途方もない問答が 続いていた 



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