ここで少し自身のことを書いてみよう
私は25年間花の仕事をしている
元は航空関係だったが、お花を習い始めて
「これが私の天職！」と なかなかいい給与の会社をあっさり辞め 、時給700円の花の世界に飛び込んだ
我ながらあっぱれである。
そこから、ずっと花業界にいる
現在進行形だ。
旦那さんと二人の娘と猫1匹。
紆余曲折ありながらも 楽しく生きている
主人の母は17年間認知症だった。
その母は今年6月に亡くなった。
1ヶ月後 後を追うように父も逝った。
そして8月の私の誕生日の日。
毎年、必ずお祝いのメールをしてくれる
母からの「おめでとう」のメールも電話も なかった。
そう言えば、メールをしても 最近かえってこない
元々、私はお気楽人間。
小さいことをあまり気にしないのだ。
電話も別にマメにはしない。
・・・が、振り返れば おかしなことはたくさんあった。
たくさんあったんだ。
マンガでわかる！認知症の人が見ている世界 （健康実用） [ 川畑智 ]
翌日、不安な気持ちを抱えながら実家に行った。
いつも通りの母。
多少、動作はゆっくりだし ただ、お料理はいつの間にか父が主導になっていた。
まぁ、80だし年相応の感じか・・・
そんなふうに思っていたが 父が別部屋に行くと母は 「お父さんは女の人が好きなのよ」などと 言い出した。
寡黙で厳格な父と対極な話である・・・
おいおい・・ 大丈夫か？
なんか会話が変だな・・・
と思いながらも まぁ、許容範囲か・・・と お茶の席について3人で談笑してると 唐突に母は言い出した。
「そう言えば昨日話したでしょ？ お風呂に人がいるって・・・」
あ～。母から話しをふってくれたなら 聞きやすいなと 父に軽く聞いてみた
「お母さんから昨日聞いたんだけどね .なにかお父さん知ってる？」
すると父は疲れたような表情を一瞬みせ
「何が何だかわかんないんだよ・・・」
そう言った。
今思えば幻覚が見えてる母は 父に何度も言ったに違いない
けど訳の分からないことを言う母に
「なにを訳の分からないことを言ってるんだ」
そんなやり取りが何度もあったのだろう 。
母は母で訳の分からない物が見えたり聞こえたりで
不安だったに違いない
父も相当不安だったはずだ
どうしよう・・・
そう思った自分の手が震えていた
翌日、よく晴れた日。
母から電話がきた。
たわいない話をしていた。
前日おかしな事言ってたけど 気にすることじゃなかったか・・・と 思った数分後 ...
「あのね、お風呂の方でいつも音がして お風呂で男の人がいるのよ」
え？
母は不安そうだった。
私から言っても信じてくれないから お父さんに聞いてみてくれないかといわれた。
「わかったよ。じゃ、明日そっちいくから 聞いてみるね」 そう言って電話を切った。
何を言ってるんだ？
認知機能が低下してるのか？
胸の奥をギュッと拳で掴まれるような感覚・・・
何が起きてる？
とにかく明日実家にいって 父に聞いてみよう
不安な気持ちを抱えながら その日は何故か一睡も出来ず 朝を迎えた。
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